血糖値が気になる人は何を食べればいいのか。糖尿病内科医の山村聡さんは「糖質を多く含んだ、ごはん、パン、パスタ、うどん、そばなどは食べたあとに血糖値が急上昇する。その後下がっても、もう一度上がってしまうメニューに注意」という――。
※本稿は山村聡『糖尿病専門ドクターが検証! 血糖値を下げる食事法について、実際に試してみた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
血糖値を下げるため「どの料理が血糖値を上げるのか」を把握
血糖値を下げるために、食事の際に心がけておきたいポイントあります。それが次の4つです。
《血糖値を下げるための食事法4つのポイント》
・何を食べると血糖値が上がるのかを理解する
・食べ順に気をつける
・1日の食事回数
・食事の注意点(間食・早食い・夜食)
1つめのポイントが、何を食べると血糖値が上がるかという問題です。
血糖値を上げるのは、食べ物に含まれる炭水化物です。炭水化物は、糖質と食物繊維から構成されていますが、このうち、糖質が血糖値を上昇させる主たる栄養素とお考えください。そして、食べ物に含まれる炭水化物量(=糖質量)が血糖値に直結します。
ですから、炭水化物(糖質)を多く含んだ食品、ごはん、パン、パスタ、うどん、そば、イモ、コーン、果物、フルーツジュースなどが血糖値を大きく引き上げます。
ランチによく食べる「パスタ」と「どんぶりもの」では?
今日のお昼、何を食べようかと考えたとき、みなさんの頭に浮かぶレシピはどんなものがあるでしょう?
パスタや丼物をあげるかたも多いに違いありません。ここでは、お昼の王道メニューとして、カルボナーラと牛丼(並盛)で検証を行ってみました。
まずは、カルボナーラ。
初期値は91mg/dL。食後、血糖値はゆっくりとゆっくりと上がっていき、70分後にいったんピークを形作ります。しかし、その後、いったん下がりかけた血糖値は、再び上昇。ようやく110分後に最高値を記録しました。その値が172mg/dL。上昇幅は81mg/dLとなっています。
カルボナーラの場合、食後血糖値の山が2つできていますから、これは、明らかに二峰性の変動ということになります(図表1)。