経営再建に足踏みが続くシャープは5月14日、経営陣刷新と2016年3月期までの中期経営計画を発表、再建出直しに背水の陣を敷いた。テレビ事業の不振で大きく沈んだパナソニック、ソニーを加えた家電大手3社の再生への処方箋が出揃ったが、先行きの見通しは厳しい。

シャープの再建策で目を引いたのは、社長交代による経営陣刷新だ。奥田隆司社長は6月25日付で代表権のない会長に退き、取締役も外れ、高橋興三副社長が社長に昇格する。前社長で、米半導体大手クアルコムや韓国サムスン電子との資本提携交渉を進めた山幹雄会長は退任する。在任わずか1年3カ月で退く奥田社長は、会見で「これまでのシャープと決別し、一刻も早く新生シャープをつくりたい」とこの意図を説明した。

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