川崎重工業と三井造船による経営統合交渉が取り沙汰されるなど、国内造船大手をめぐる再編の動きがにわかに慌ただしさを増してきた。新建造船受注が急激に細り、来年には国内で造る新造船がほぼなくなる「2014年問題」が目前に迫っていることがその大きな背景になっている。造船大手の再編としては、すでにJFEホールディングスとIHIが系列造船子会社の経営統合に踏み切り、新会社「ジャパンマリンユナイテッド(JMU)」が今年1月に発足して間もない。これに追随するように浮上した川重と三井造船の経営統合構想は、「2014年問題」に背中を押され、造船大手が事業存続を懸けた本格的なサバイバル戦に突入したことを意味している。

4月下旬に明らかになった川重と三井造船の経営統合構想は、本体同士が対象となる点で、造船事業子会社の統合にとどまったJFE、IHIのケースとは次元が異なる。造船・重機業界においてそれぞれ売上高規模で第2位、5位にある両社の経営統合が実現すれば、連結売上高は単純合算で約2兆円に迫り、最大手の三菱重工業に次ぐ巨大企業が生まれる。交渉入りの事実について、川重、三井造船はともに表向きは打ち消している。しかし、主要取引銀行との協議は継続しているともされ、その行方に注目が集まる。