社員のやる気を引き出す組織は何が違うか。キーエンスとプルデンシャルでトップの成績を残したSales Navi 代表取締役の田中大貴さんは「プルデンシャルでは週に2回のミーティングが始まる前にカルチャーの浸透と体現に効果的な『オープニングムービー』を流していた」という――。

※本稿は、田中大貴『売れる組織 売れる営業』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

仕事の打ち合わせをする3人のビジネスパーソン
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みんなで協力するカルチャーはどうつくれるか

プルデンシャルはフルコミッションのため、極論すれば自分さえ良ければいいという利己主義的な発想が生まれる可能性があります。しかし、プルデンシャルには「助け合うカルチャー」が根づいていました。

先輩が後輩に対して、ボランティアでセミナーや勉強会をしてくれるのは当たり前のことでした。報酬を得る機会をあきらめ、貴重な時間を使うのですから、助け合いの精神がなければ引き受けてくれるわけがありません。

その話を聞いて育った身としては、後輩に対するセミナーや勉強会を求められれば、私も喜んで引き受けていました。

一文の得にもならないロープレの相手を引き受けてくれるのも、助け合いのカルチャーの賜物です。これは、プルデンシャルだけでなく、キーエンスにもあるカルチャーです。

この2社が高い成果をあげている理由のひとつが、企業のカルチャーにあるのは間違いありません。たしかなことは、みんなで協力するカルチャーをつくらなければ、個人の資質だけに任せても限界があるということです。