「第二陣」の学生はイメージで就活する

以上を踏まえると、この手の就職人気企業ランキングは、就活のある断面を偏った形で集めたものであることに留意する必要があることがわかる。

同様に、新卒一括採用、就職活動解禁、就活早期化の歯止めなど、就活に関する言説をする時には、もはや就職活動は、多様化しており、ひとつの軸では語れないことに注意をする必要がある。

具体的には、就活タイミング、就活意識、就活の手法などについても、多様化が進んでおり、一概には語れなくなっている。

まず、就活タイミングについて言えば、「今日から解禁、就活サイトへの登録が殺到し、サイトがダウン(※2)」というのは、今のマジョリティーの行動であるが、上位層に関する限り、動きは全く異なる。就活協定に影響されない、外資系企業やベンチャー企業などは、遥かに早いタイミングで、インターンシップなどの機会を提供することで、事実上採用活動をスタートさせている。その結果、大学3年の夏に事実上内定が出る「夏内定」なる言葉も存在している。毎年、シーズンになるとメディアから、「今年の就職活動はどうですか?」と取材を受けるのだが、私の場合は「いや、就活が終わっている学生も多くて」と答えることになるので、ついに最近は取材が来なくなった。

これを就活の早期化と批判する向きもあるだろうが、大学生活を半分終わった段階で、企業としてはその後の成長性もだいたい予想できるのが正直なところだから、一定の合理性があると思われる。また、長期休暇のうちに就活が終わってしまえば、学生は学業に専念しやすくなる。