寝坊や遅刻をしたり、やらなければならないことを先延ばしにしてしまったりする人がいる。WEB漫画家のやしろあずきさんは「僕は発達障害の1つであるADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けている。これまでの数々の失敗から生み出した、朝必ず起きる秘策を紹介したい」という――。

※本稿は、やしろあずき『すごいADHD特性の使い方 人生が本当にラクになるコツ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

ベッドサイドテーブルにはメガネと書籍と目覚まし時計
写真=iStock.com/carlosgaw
※写真はイメージです

「LINEの未読100件」は通常運転

初めましての方は初めまして。WEB漫画家のやしろあずきと申します。クセが強い2頭身キャラで、日常を漫画でつづっています。この本は、発達障害の1つであるADHD(注意欠如・多動症)を持つ人、あるいは、ADHD傾向にある「グレーゾーン」の人に向けて書いたライフハック集です。これを書いている僕ももちろん、ADHD診断済みです。

以下、僕の日常。

遅刻癖がどうしても直らない。LINEの未読が100件以上たまっている。
何度確認してもケアレスミスを繰り返す。確認せずに行動して失敗する。
公共料金の払い忘れ。使ってないのに延々と払い続けるサブスク。
空気読めない。しゃべりすぎ。何か発言する「え?」という顔で見られる。
物をすぐくす、忘れる。失くしたはずの爪切りが部屋に何個も転がってる。

……もうね、こんなの無限にあります。僕はADHDのことも漫画にしているのですが、こうした悩みに共感する声もたくさん聞いてきました。

「すごい」がいっぱいあるのがADHD

でも、自信を持ってお伝えします。ADHD特性は、マイナスだけじゃない。そこには確実に、素晴らしい才能が隠されています。

注意欠如は、発想力と創造力の源泉に。
多動や衝動性は、強靭な行動力に。
空気を読めないズレた言動は、常識破りの魅力。
集中力や感情のムラも、ハマれば爆発的な力となる。

これらはみな、「すごい」と思われるような特性です。すごい不注意、すごい発想力。すごい行動力にすごい協調性のなさ……。マイナスもあるけど、それを補える「すごい」がいっぱいある。凹だけでなく凸もあって、凸凹でこぼこなのがADHD特性です。

一方で、その特性の凸凹を理解せずに放置していると、マイナスのほうに暴走してしまいます。犬を飼っても、意思疎通をしてしつける努力をしないと、パートナーとしてやっていくのは難しいですよね。これと一緒です。

ADHDは基本的に、生涯付き合っていくものだから、愛犬のように飼いならして仲良くなる必要があります。そのためのお手伝いができたらと思い、この本では、さまざまな悩みに対する僕なりの対策法をまとめました。