立民党の野田代表は14日の記者会見で「政治資金規正法に抵触する可能性がある。政治活動の寄付としか思えない」と指摘した。国民党の玉木雄一郎代表は「疑惑の払拭ができなければ、首相の職を続けることは困難になっていく」と突き放す。維新の吉村代表も読売新聞を通じて「出処進退を含め、自ら厳しく律してもらいたい」と塩対応を取った。
「自民党から首相を選べるかどうか」
公明党の斉藤代表は14日の記者会見で「報道を聞いた時、耳を疑った。国民の感覚と大きくずれている」と苦言を呈する。自民党の坂本哲志国対委員長は「『政治とカネ』の問題が言われている時に軽率だった」と語った。
自民党は、旧安倍派参院議員27人を次々と参院政治倫理審査会に出席させているほか、2月27日の衆院予算委で旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏に対する参考人聴取にも応じ、不記載の還付を再開させた派幹部が下村博文元文部科学相だとにおわせる証言をさせるなど、参院選を前に「政治とカネ」の問題にけりをつけようと躍起になっていた。
そこに水を差した石破首相は、3月14日の参院予算委員会で、過去にも10回ほど商品券を配布したことを明らかにしたうえで、陳謝を繰り返し、野党から国民感情とのズレを問われて「感覚を失っていることを深く反省している」と平身低頭するしかなかった。
自民党内では、西田氏が「予算を成立させたら、使命を果たしたことになる。退陣するのが正解だ」と記者団に述べ、改めて首相交代を主張したが、同調する動きは限られる。
森山氏は、14日のTBSのCS番組で「少数与党だから、顔を替えて(首相指名選挙で)自民党から首相を選べるかどうかはファジー(不確か)だ」と述べ、首相退陣論を牽制した。
今後、野党が内閣不信任決議案を提出し、賛成で足並みをそろえれば、可決することが可能になる。首相に衆院解散か、内閣総辞職かを迫ることになるだけに、当面、与野党間で神経戦が続く。
野田氏は16日、青森市で講演し、「内閣不信任決議案提出や退陣を求める声があるが、私は簡単に求めない。政倫審で説明を聞こうではないか。何回やったのか、歴代首相もやっていたのか」と述べ、自民党の政治文化についても説明責任を果たすよう求めている。