日本は将来に向け、少子高齢化、空洞化による国内産業の衰退など大きな「困りごと」を抱えている。ヤマトホールディングスは、セールスドライバー6万人のネットワークを生かした新事業で、これらの「困りごと」に次々と立ち向かっている。

孤独死を目の当たりにしたドライバーの思い

1人暮らしの高齢者が「ご用聞きボタン」(写真下)を押すと、コールセンターが注文を受け、買い物などを代行してSDが届ける。

目を閉じると、クロネコヤマトの宅急便に関わる2人の人物の顔が浮かぶ。1人は、岩手県南西部の山深い町、西和賀町で11年11月末の猛吹雪の日、取材の合間、一緒に熱いそばをすすった相手だ。

「うちのドライバーたちはね、雪の日、車で行けなければ、歩いて運ぶんです」

ヤマト運輸岩手主管支店営業企画課課長の松本まゆみは、この日、自身が始めた「まごころ宅急便」の取材のため、朝一番で盛岡から駆けつけてくれた。荷物を届けるセールスドライバー(以下、SD)が1人暮らしの高齢者のため、買い物支援と見守りを行う。「まごころ宅急便を全国で商品にしたい」。その眼差しには強い決意が秘められていた。