アナリストたちに、いま注目の企業を選んでもらい、それらの会社が快進撃を続ける理由について解説をしてもらった。不利な市場環境でも利益を生み出す戦略やビジネスモデルとは、どのようなものなのだろうか。

取引先の厳しい要求で鍛えられた
:踏んだり蹴ったりの歴史が高収益体質をつくる

市場が成熟して頭打ちになった環境下では、従来のビジネスモデルや戦略に固執していると時代に取り残される恐れがある。ただ、とにかく変化すればいいと安直に考えてはいけない。ビジネスモデルや戦略に時代が追いついて、ようやく収穫の時期を迎えるケースもあるからだ。

営業利益が過去最高を記録した日特エンジニアリングも、最近になって時代が追いついてきた1社だ。同社の主力商品であるコイル用自動巻線機は、携帯電話などの部品として使われる小さなコイルを正確に巻くことができる。ただ、精密なコイルを必要とする商品は多くなく、手巻きで低コストの中国製品に押されていた。