10時間半を超える「異例の記者会見」
フジテレビの「やり直し」記者会見は、10時間半を超える、異例の長さとなった。
前回の記者会見の反省から、「オープン形式」で、原則として、参加希望者をすべて受け入れた。重複する質問が多く、なにより、怒鳴ったり、叫んだりする記者側のモラルや見識が疑問視された。
くりかえされた質問のなかで多かったのが、「フジサンケイグループ」の代表・日枝久氏をめぐるものだ。
ほぼ半日つづいた会見に、日枝久氏は、あらわれなかった。
「フジテレビの天皇」と呼ばれる日枝氏は、同社と、親会社フジ・メディア・ホールディングスの取締役相談役を務めている。
「天皇」と呼ばれるのは、日枝氏が、「フジサンケイグループ」という「日本最大級のメディア・コングロマリット」(同グループ公式サイト)の代表だからである。「フジサンケイグループ」はフジ・メディア・ホールディングスや産経新聞社など79社、4法人、3美術館で構成されている。日枝氏は40年以上の長きにわたり、フジテレビの取締役も務めており、「影響力があるのは間違いない」と、同社の遠藤龍之介副会長が認めるほど、大きな存在である。
なぜ「フジテレビの天皇」は会見に出ないのか
今回の記者会見を前に、フジテレビの労働組合が日枝氏を含む取締役全員の出席、ならびに、会見の場で取締役刷新の意向を表明、の2点を求めたと報じられている。
それほどまでに「影響力」を思わせる日枝氏は、なぜ、記者会見に出席しなかったのか。
フジテレビ側の答えは、日枝氏が、今回の事案にも、同社の嘉納修治会長と港浩一社長の辞任についてもタッチしていないから、というものだった。「日枝さんが出てくる必要がない」(嘉納会長)、それがオフィシャルな立場である。
日枝氏は、会見に出るのが怖かったのかもしれないし、あるいは、そもそも、自分(だけ)は悪くない=責任がない、と考えているのかもしれない。
だが、今回の本当の「問題」は、日枝氏が辞めるか辞めないか、ではないのではないか。


