従業員も経営者にもメリットしかない

④コラボレーション、イノベーション促進

安全な心理状態の中では、新しいアイデアや意見が出やすくなり、イノベーションが促進されます。

社内に集団的な感謝の気持ちがあると、組織内の人々の「質の高いつながり」を強化し、サービスの革新性を高め、企業の財務実績を高めることがわかりました。

チーム内での感謝の気持ちが強まると、知的交流が強化され、より創造的なアイデアが生まれ、コラボレーションが活性化します。結果として、チームのパフォーマンスが向上することがわかっています。

⑤企業イメージの向上

感謝を大切にする企業は、従業員だけでなく、顧客からも良い印象を持たれ、企業イメージが向上します。

たとえばサイボウズ。従業員に感謝の気持ちを伝え、モチベーションを高めるために「人事部感動課」が設けられました(現在は「人事本部コネクト促進部」に再編)。さらに、ワークライフバランスに配慮した制度や社内コミュニケーションの活性化などの施策で、24%と高かった離職率を4%に低下させて、企業イメージを大きく向上させました。

また、パナソニック、サントリー、リクルート、積水化学工業、花王などの大手企業も、感謝を効果的に活用して、成果につなげています。

⑥ワーク・エンゲージメントが高まる

「ワーク・エンゲージメント」とは、「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りとやりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)の3つが揃った状態です。

仕事にやりがいを感じ、職場の人間関係が良く、楽しくいきいきと働ける。それは、会社員にとって最高の働き方です。また、組織が活性化し、従業員が生産性高く働き、従業員と会社の関係性も良く、離職しないとしたならば、会社員(従業員)にとっても、経営者にとってもメリットしかありません。