2024年10月、内閣府のクールジャパン・プロデューサーに任命された。これからは、日本の魅力を世界に発信するブランド戦略を担っていく。

「40歳になるまでの2年間で徹底的に投資を勉強して、投資のことも、経営のことも、地域づくりのことも、現場のことも、全部わかってる状態になりたいんです。人の夢を伴走できる人材になって、日本の地方を世界に発信していくお手伝いがしたいと思っています」

人生という旅を楽しむ

かつて田澤さんのお姉さんは「食べたものが自分をつくる」と苦しむ妹に語りかけた。これまで食べ尽くしてきた経験が、今の田澤さんの血肉となり、これからの田澤さんをつくっていく。

2021年には離婚を経験。子どもの小学校入学に合わせて小諸市に完全移住した。我が子には「さみしい思いをさせているかもしれない」と一瞬母の顔を見せる。

「今4年生なんですけど、『オレも将来社長になりたいな』って言うんです。手に負えないくらいワガママなときもあるけど、自分の道を自分で切り開く子になってくれたらいいなって思います」

自分にも日本にも誇りをもてずにいた少女は今、1人の女性として、日本人として、ツーリズムの専門家として、そして母として、堂々と自分の道を切り開き、人生という旅を楽しんでいるように見えた。

笑顔で旅を楽しむ田澤さん
筆者撮影
人生に無駄なことなんてない。これまで経験のすべてがクラビトステイに繋がっていた
筆者撮影
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