※本稿は、斎藤充『100年骨』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
骨密度の検査にはデキサ方法がおすすめ
骨粗しょう症の検査①骨密度を調べる
まず骨密度を調べる検査には、以下のような種類があります。
●DXA(デキサ)法 ★★★
エネルギーの低い2種類のレントゲンを使って骨密度を測定する検査法です。
測定する部位は、背骨の腰に近い部分(腰椎)と足の付け根(大腿骨近位部)の2つの部位をスキャンし、スキャンデータを計算することによって「骨成分」だけを測定しようとする測定方法です。
●MD(エムディ)法 ★
手のひらを、真ん中にアルミニウムスケールがある台に乗せてレントゲン撮影し、第二中手骨(人差し指の付け根から手首までの骨)とアルミニウムの画像の濃淡を比較して骨密度を測ります。簡便さがメリットで、企業の健康診断のオプション検査にも採用されている場合もあります。しかし、手指のような末梢の骨で骨密度の低下がわかるには、背骨や足の付け根の骨密度低下から10~15年ほどかかるため、あまり当てにできません。
●超音波法 ★
測定装置に足を乗せて、かかとの骨に超音波を当てる測定法で、簡単に行えることから広く普及していますが、骨密度の検査ではありません。
単純にかかとの骨に当てた音波が返ってくるスピードを測っているだけで、カルシウムは一切見ていないため、診断には使わないことになっています。将来的には、骨粗しょう症検査から外れる可能性があります。
若い頃から身長が2cm以上縮んでいたら…
骨粗しょう症の検査②「いつのまにか骨折」の有無を調べる
そもそも自分が「いつのまにか骨折」をすでに起こしていないかを調べてもらいます。
「いつのまにか骨折(椎体圧迫骨折)」の有無は、胸椎・腰椎のレントゲン検査によって調べます。
●〈胸椎・腰椎X線検査〉★★★
若い頃から比べて身長が2~4cm縮んでいる方は、「いつのまにか骨折」をすでに起こしている可能性がありますので、整形外科でレントゲンを撮り骨折がないかを確認します。
骨粗しょう症の検査③骨の新陳代謝の状態を調べる
骨の新陳代謝の状態は、血液検査と尿検査で調べます。
血中または尿中の骨芽細胞や破骨細胞の産生する酵素やタンパク質、骨が壊れたりつくられたりする際に生じるコラーゲンの代謝産物が「骨代謝マーカー」です。この骨代謝マーカーを調べることで、骨の新陳代謝の変化や骨質が推定できます。
マーカーとは、正確には「バイオマーカー」と言い、ある疾患の有無や、病状の変化や治療の効果の目安となる「生理学的な指標」(血圧や心拍数、心電図など)や「生体内の物質」のことです。
簡単に言えば「目印」のようなもので、マーカー検査とは、それらを調べる検査です。