年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。サービス業、情報・通信業、小売業、保険業に分類されたネット系ベンチャーから33社を抽出した。これらの会社は平均年齢が低く、推定年収、生涯賃金が押し上げられる傾向にある。
携帯向けゲーム大手はコンプガチャ廃止も好調
携帯向けゲーム大手のディー・エヌ・エーは、102万円増の728万円。携帯電話やスマートフォン向けソーシャルゲームの課金法である「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」が12年5月で廃止された影響が懸念されたが、好業績を維持している。
「コンプガチャ」は、クレジット料金や電話料金と合算で請求される仕組み。支払いがあっという間に数万円単位に膨らむことも珍しくなかったことから、特に若年層向けについて社会問題にもなっていた。
ゲーム内で使用する通貨「モバコイン」の消費が急増したことで、ディー・エヌ・エーは4~6月期決算で大幅増収増益を維持している。
ライバルのグリーは、38万円増の743万円。同社がディー・エヌ・エーに対し、釣りゲームの著作権を侵害したと配信差し止め、損害賠償を求めた訴訟は、ディー・エヌ・エーに対して配信差し止め、約2億3400万円の損害賠償支払いを求めた一審判決(東京地裁)から一転。第二審判決(東京高裁)は、グリーの主張を「ありふれた表現」「アイデアの範疇」として全面的に退け、両社の争いは最高裁に持ち込まれることとなった。
なお、ディー・エヌ・エーはプロ野球の舞台でも今シーズンからDeNAベイスターズの経営に乗り出したが、新規参入に異を唱えたネットベンチャーの先輩格・楽天傘下の楽天ゴールデンイーグルスとの“代理戦争”で火花を散らしている。