年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。情報通信業、電気・ガス業、サービス業に分類された711社より抽出。業界トップはエニックスとスクエアが経営統合したスクウェア・エニックス・ホールディングス1709万(平均年齢43.2歳、従業員数21人)。
東電107万減の653万は妥当か
東京電力が9月から家庭用電気料金の8.46%値上げを実施。原発依存度の高い関西電力、九州電力など他社も追随するとみられている。
原発の稼働停止に伴う火力発電用燃料費の負担増を主因とするものだが、大もめにもめた末の決着だった。
東京電力は7月末、政府の原子力損害賠償支援機構から1兆円の出資を受け、実質的に国有化されたが、電気料金値上げに対して、批判が噴出した。同社は当初、7月からの10.28%値上げを申請していたが、値上げ幅、時期ともに見直しを迫られた経緯がある。
電気料金の値上げに関連し、消費者庁の検討チームは、社員の給与の30%削減を求める評価を公表。「従業員1000人以上の企業平均値を基本」とする、電力会社の人件費に関する新基準が適用されたためだ。
東京電力は107万円減の653万円と大幅引き下げとなった今期から一転、2013年度について年俸制の導入で1人当たり46万円引き上げる姿勢を見せているが、電力料金引き上げに加え、福島第一原発事故への対応も不透明なまま。被災地域に対する補償が滞り、原発事故自体収束したとは言えない状況にある。消費者の感情は収まっておらず、同社の給与水準が、引き続き物議を醸すのは避けられそうにない。
安定企業の代表格だった時代も今は昔。株価は100円台前半まで下落し、発電、送電、電力販売での競争原理を導入する「発送電分離」も議論されるなど、今後の行方も不透明な状況に置かれている。