投資でお金を貯めたいと思ったら、まず何から始めるといいのか。複眼経済塾塾長の渡部清二さんは「初心者は東洋経済新報社が出している『会社四季報』に載っている企業情報を見るといい。とくにオーナー企業はおすすめだ」という――。

※本稿は、渡部清二『そろそろ投資をはじめたい。』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

株式市場や外国為替取引グラフとローソク足チャート
写真=iStock.com/phongphan5922
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優良銘柄は「8つのステップ」で見極める

いよいよ本稿では、銘柄を分析する視点を身につけていただきます。といっても、すべてを丸暗記していただく必要はありません。8つのステップに分けてお伝えしていますし、下記にまとめていますので参考にしてください。

① 定性評価――企業の強みを見極める
②健全性――財務の状況を見極める
③ 継続性――企業が今後も存続できるか?
④業界の売上高と利益規模――正しい物差しを手に入れる
⑤企業の売上高と利益規模――成長性と稼ぐ力
⑥ 配当利回り――株主還元か成長か
⑦チャート――株価の動きを把握する
⑧ バリュエーション――「割安」の罠にだまされてはいけない

これらの情報は四季報を見ることで把握できます。四季報でなくても確認できる情報もありますが、情報の網羅性においては四季報が優れていますので、本稿では四季報をベースに説明をしていきます。

「企業の自己紹介」を見逃さない

①定性評価 企業の強みを見極める

まずは企業の自己紹介を見る

あなたが今、就職活動や転職活動をしているとしたら、企業のどんなところを見ますか? 年収や企業の所在地、転勤の有無など、さまざまな確認するべきことがあると思います。

おそらくほぼすべての人が見る情報があります。それは、「何をやっている企業か」でしょう。

企業の事業内容や特色を判断することを「定性評価」といいます。当たり前のように思えるかもしれませんが、実はこの定性評価はバカにできません。そもそも何をやっている企業なのか、今どういう状況を迎えているのか。これらはいわば、「企業の自己紹介」ともいえる内容です。

さて、この定性評価ですが、四季報を見ると簡単に把握することができます。定性評価のために見るべきポイントは、次のA、B、Dブロックです。

【図表】四季報のブロック分け
出所=『会社四季報』2024年3集夏号/『そろそろ投資をはじめたい。』(サンマーク出版)