証券コードは業種ごとに見ると覚えやすい
Aブロックで一番目立つ表記が「証券コード」と「企業名」です。
証券コードとは、証券コード協議会が日本の上場株式や上場証券などに設定する識別コードのことをいいます。番号は原則、業種別に決まっています。1300番台【水産・農林】から始まり、1500番台【鉱業】、1600番台【鉱業(石油/ガス開発)】、1700~1900番台【建設】など、「重いイメージ」の業種が並んでいます。
2000番台【食品】、3000番台【小売業】【繊維製品】など、日頃の生活でも社名を目にしやすい企業が登場します。その後は、4000番台【化学・薬品】、5000番台【資源・素材】、6000番台【機械・電機】、7000番台【自動車・輸送機】、8000番台【金融・商業】、9000番台【運輸・通信・放送・ソフトウェア】となっています。
ただし2024年1月から証券コードに英文字が入るようになりました。それまでは、1301極洋の次に1332ニッスイと【水産・農林】の同業種の企業が並んでいたのですが、現在の四季報では、極洋の次に130AVeritas In Silicoという【医薬品】が入っていますので、これからは証券コードの考え方が大きく変わる可能性があります。
また、【上場】の欄には株式市場に上場した年月が記載されています。
「世界首位」「業界首位」「シェア○割」に注目
例えば、『そろそろ投資をはじめたい。』(サンマーク出版)の169ページで中小型成長株を選んだ方に注目していただきたいのは、上場から5年以内かどうかです。
上場の目的はより多くの人に企業の株を買ってもらい、資金を集めることです。上場して間もないということは、上場によって得た資金で売上高や利益を伸ばす目的があるのです。
人間と同じように、企業もどんどん成長していきます。やがて成長のスピードは緩やかになり、成熟していくところも人間と同じです。成熟から成長へと再び新しいビジネスに挑戦するためには資金が必要であり、「上場から5年以内」とはその成長へのステップアップの兆しを見る上で適しているのです。
企業の強みを手っ取り早く理解するなら、【特色】欄に注目しましょう。
「世界首位」「業界首位」「シェア○割」「独自技術」などのポジティブワードは見逃せません。ここは第2章の「独占を見つける」とも近い考え方ですね。
さらに、【海外】欄には、連結海外売上比率もしくは、地域別売上高の日本以外での売上比率が記載されています。
第2章でもお伝えした通り、先進国の当たり前を新興国でも広めることができると売上高は増加します。別の言い方をすると、市場のグローバル化が売上高を増加させるのです。
海外売上比率は「50%」前後が要注目です。なぜなら、50%を超えるタイミングは国内企業がグローバル企業へと転換する時機だからです。それゆえに今後も成長が期待され、その期待感が投資を呼び込み、株価を上げていくのです。