もう一つは、厚生年金(または共済年金)の加入期間です。国民年金の受給資格期間が10年あり、厚生年金に1年以上加入している必要があります。例えば、生年月日が該当する範囲だったとしても、国民年金の保険料だけを払い続けてきた人は、残念ながら、特別支給の老齢厚生年金はもらえません。
例えば、結婚前に3年間だけ厚生年金に加入し、結婚後は第3号被保険者だった人は、特別支給の老齢厚生年金をもらえます。
“申請忘れ”でも5年分はさかのぼって受け取れる
もらえる金額は、現役時代にもらっていた給与や賞与で変わってきます。これを、報酬比例といいます。当然ながら、現役時代の給与が高く、厚生年金への加入期間が長いほど多くなります。また、条件によっては加給年金がもらえなくなるケースもあります。
いろいろ複雑なので正確な金額を知りたい場合は、日本年金機構のねんきんネットにアクセスすることで年金記録、将来の年金見込み額などを確認できます。
ねんきんネットの利用方法がよくわからない人はねんきんダイヤル(0570-05-1165)に問い合わせることも可能です。また、年金事務所で直接聞きたい場合は予約をして行くと確実に受け付けてもらえます。
もらえる年齢になると、誕生日の3カ月前に日本年金機構から緑色の封筒に入った年金請求書が届きます。必要事項を記入して、返送しましょう。もし、受給要件を満たしているのに届かない、紛失してしまったという場合は年金事務所に必ず問い合わせてください。
ちなみに、特別支給の老齢厚生年金について、このような質問を受けることがあります。
「特別支給の老齢厚生年金の請求を忘れていた場合、どうしたらいいですか?」
年金は過去5年分までさかのぼって支給されるので、65歳になる前に請求すると、全額を一括で受け取ることができます。
しかし、60歳から特別支給の老齢年金をもらえる人が65歳を過ぎて請求した場合は、1カ月ずつ時効が生じて受給できる金額が減ってしまいます。忘れていたと気づいたら、できるだけ早く請求しましょう。