学生数10万人(系列高校など含む)、日本一のマンモス学校法人「日本大学」が、マスコミ報道に揺れている。読売新聞が、日大トップの田中英寿理事長(66)について、同大の工事受注業者の建設会社から約500万円のリベートを受け取ったと報じたのだ。
田中氏は日大経済学部卒。1999年に日大理事に就任。副会長などを経て2008年から理事長を務めている。
「田中氏は日大相撲部出身で相撲部の元監督。元横綱・輪島や舞の海をはじめ大相撲には日大相撲部出身者が多いが、彼らは田中氏の前では直立不動です。田中氏は、日本相撲連盟副会長や日本オリンピック委員会常務理事などを歴任、相撲界のドンと呼ばれています」(日本相撲連盟幹部)
読売新聞(2月2日付)によると、田中理事長は、常務理事だった07年頃から、同大発注の工事を請け負う東京都内の建設会社から500万円超の資金提供を受けていたという。読売は、同大が私立大で最大の助成金(毎年100億円以上)を受け取っていること、また日本私立大学団体連合会が経営倫理綱領で理事長職に「倫理性・社会性の高い経営」を求めていることを挙げ、倫理上の問題があるとした。「田中理事長の疑惑に関しては、昨年、月刊情報誌が“警視庁が日大から入札関連資料を押収した”などと数回にわたって報道。訴訟沙汰になっています。また経済誌でも05年8月に当時の森田賢治理事長らが田中氏の疑惑に関する調査委員会を設置、報告書が作成されたと報じられています」(全国紙社会部記者)。この報告書はPRESIDENTでも入手している。
読売報道に対し、日大側は直ちに会見を開き、事実無根と主張。ホームページでも理事長、建設会社ともに事実関係を否定しているとして報道を批判している。
「日大側は文科省にも事実無根だと説明。文科省は詳しい報告を求めているが、担当部署は人員も少なく経営難の堀越学園(群馬県)の調査などで手一杯。経営安泰の私大を文科省みずから調査することはない。何しろ国立大86校への助成金1兆円に比べ、私大の助成金は560校で3000億円程度。日大への助成金カットもないでしょう」(文科省担当記者)
今後の展開に注目だ。