休みが不足しているとは「感じていない」
この多さが影響しているのか、日本で働く人のうち半数以上は、休みが不足しているとは「感じていない」。
旅行サイト大手のエクスペディアが毎年実施している「有給休暇の国際比較調査」の最新結果(*2)である。
2022年に行った調査での日本の57%という数字は、タイ(62%)に次ぐものであり、お隣の韓国(32%)や、バカンス大国フランス(29%)などと比べると、はるかに高い。
その前年2021年には45%だったので、コロナ禍による在宅勤務とは直接影響はしていないように見える。
日本の労働力人口に占める65歳以上の割合は、13.4%(2021年)であり(*3)、非正規雇用の割合が高い(*4)。毎日働いているわけではない高齢者が増えているから、「休み不足」を感じない人の割合が高まっている可能性はある。
有休休暇を取るのは「後ろめたい」
ただ、先のエクスペディアの調査によれば、日本は「毎月有給休暇を取得している」と答えた人の割合(39%)でも、「週休3日制を導入してほしくない」と答えた人の割合(11%)でも調査対象の16地域のうち最多である。
乱暴に解釈すれば、「休みは足りているし、毎月有休を取っているから、週休3日で長時間労働になるのは勘弁してほしい」と考えている人が日本人には多い、ということになる。
他方で、エクスペディアは、2018年に「有給休暇の取得に罪悪感があるかどうか」についても聞いている。
その結果は予想通りと言うべきか、日本が58%と、2位の韓国(55%)と並んで高い。メキシコ(20%)やフランス(25%)と比べると2倍以上である(*5)。
裏表として、上司が「有休の取得に協力的」と回答した人の割合も、43%と、かなり低い。メキシコ(78%)やフランス(74%)が高い様子と比べると日本の低さは際立つ。
有休を取るのは後ろめたい。上司は協力してくれない。ニワトリか卵か、ではあるものの、長い有休を取るのは変人扱いされてしまう、といった空気があるのではないか。