逃げ場を失ったパレスチナ・ガザ地区の人々
昨年10月7日の軍事攻撃で激化したパレスチナ・イスラエル戦争は、いまだに激しい対立が続いている。世界一の人口密度と言われるガザ地区内は絶え間ない攻撃にさらされ、もはや安全な避難先さえほとんど残されていない。
食料は底を突き、人々は数カ月間も缶詰と小麦粉だけの生活を送っている。医療は多くの病院で機能しておらず、民家のテーブルの上で脚の切断手術を敢行するなど、厳しい状況が迫る。
Article coming soon on @France24_en about giving birth & looking after a baby in Gaza. Shorouq sent me a video of her apartment, before & after it was bombed. "I had picked out clothes & toys for my little girl so carefully. They have all been destroyed." Details matter. pic.twitter.com/iGaLoxvzwA
— Claire Paccalin (@clairepaccalin) July 25, 2024
イスラエル軍は7月27日、ガザ地区の学校を標的にした空爆を実行。ガザが位置するパレスチナ自治区の保健省の発表によると、少なくとも30人が死亡、100人以上が負傷する惨事となった。
フランスの国際ニュースチャンネル「フランス24」によるとイスラエル軍は、この学校は「テロリスト」である武装集団・ハマスの指揮統制センターになっていたと主張している。ハマスはこれを否定し、学校は避難民を収容する野戦病院だったと述べている。
攻撃が行われたのはガザ中央部のデイル・アル・バラフ近くにあるハディージャ学校だ。保健省によると、犠牲者の多くは子供だった。目撃者のムスタファ・ラファティ氏は、英BBCの取材に対し、爆発の衝撃で体が揺れたと語る。彼は恐怖のあまり学校内に駆け込んだと語り、「恐ろしい光景だった」と振り返った。
SNSで拡散された動画「17歳少女の緊急手術」
ガザの医療状況は非常に厳しく、多くの負傷者が適切な治療を受けられない状況にある。ニューヨーク・タイムズ紙は、現地の整形外科医であるハニ・ベセソ医師を取材している。
ベセソ氏の姪であるアヘドさんは、イスラエル軍の攻撃で足を負傷した。血を流し、泣きわめき、意識が混濁するなか、ベセソ氏が呼ばれたという。重傷だったが物資不足の折、稼働できる手術室も器材もない。