「前職は円満退社でしたか」「今の会社をすぐ辞めることはできますか」……。転職面接で、答えにくい質問、無茶振りの質問をされた場合は、どう答えればいいのか。キャリアカウンセラーの中谷充宏さんは「こうした質問への回答は、会社や上司に責任転嫁したり、自分勝手ととられたりする回答にならないよう、気を付ける必要がある」という――。(第6回/全6回)
※本稿は、中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)の一部を再編集したものです。
前職は円満退職でしたか?
【面接官が知りたいのはココ!】
円満退社が望ましいが、「そうでなければダメ」ではない
多少の問題なら許容範囲だが、反省とけじめを語ってね
円満退社が望ましいが、「そうでなければダメ」ではない
多少の問題なら許容範囲だが、反省とけじめを語ってね
円満退職なら、そのまま事実を伝えれば良いでしょう。
問題は、そうでなかった場合です。
たとえば上司と大口論の末オフィスを飛び出したまま、貸与品なども返還せずに退職してきたような場合、応募者にトラブルメーカーの傾向があるということで、面接官も怖くて採用できません。
しかし多少のいざこざがあった程度なら、OK例のように、表現の工夫でクリアできます。
たとえば「あのときは感情的になりすぎ、非常に反省しています。来週早々、会社に非礼を詫びに行くつもりです」と反省の弁を述べた後に、関係修復策について語るなどして、きちんとフォローすれば良いのです。
また、円満退社でなかった理由を「会社が悪い」、「上司が悪い」と責任転嫁しても、面接官にとっては聞き苦しいだけです。
多少なりとも自分に非があったなら素直に認め、真摯に反省の弁を述べた方が潔くて、面接官の心証も良くなります。
たとえばこういう人の場合
25歳男性、大卒。新卒入社した会社に勤務中。今回は初めての転職で同業種・同職種への応募。
NG!
「あそこは超ブラックでしたので、私に限らず円満退社など無理でした」
↑誹謗中傷のような話は、聞き苦しいだけです。
OK!
「残念ながら円満退社ではなかったです。退職当時、直属の上司である課長と非常にギクシャクしていて、これが退職理由のメインでした。未だに釈然としない思いを引きずっているというのが、今の私の偽らざる気持ちです。
ただし、いろいろありましたが、前職の会社には右も左も分からない私を一人の社会人に育てて頂いたことを、本当に感謝しています。
今はまだ退職時のゴタゴタによる気持ちの整理がついていませんが、これは時間が解決してくれると思っております。
この先転職が決まり、自分の気持ちが落ち着いたら、課長にはきちんとお礼のメールをお送りし、しっかりけじめをつけたいと思います」
ただし、いろいろありましたが、前職の会社には右も左も分からない私を一人の社会人に育てて頂いたことを、本当に感謝しています。
今はまだ退職時のゴタゴタによる気持ちの整理がついていませんが、これは時間が解決してくれると思っております。
この先転職が決まり、自分の気持ちが落ち着いたら、課長にはきちんとお礼のメールをお送りし、しっかりけじめをつけたいと思います」
↑円満退職でないことを正直に答えた後、本音や前職への感謝の気持ち、転職後の関係修復策に触れることで、素直さを感じ取ることができます。