自分の馬力を発揮できると確信

ゴールドマン・サックス時代には、30歳で史上最年少のゼネラル・パートナーになっています。

しかし、株式公開直前に退職し、起業します。

もう少し待っていれば巨額の資産が入ったのに辞めてしまったことも話題になりました。

もともと会社を作りたいとか、起業したいとか、そんなふうに思ったことは実は一度もなかったそうです。ところが、1998年にインターネットに詳しい人と知り合い、インターネットが時間も場所も共有しなくてもいい効率的なインフラであり、これがほとんどのビジネスを再構築していくだろうと感じることになります。

とりわけ金融の世界では、インターネットを使った直接金融ビジネスが極めて重要になると思った。当時勤めていたゴールドマン・サックスにこの事業を始めるべきだと提案するのですが、個人対象のビジネスはできないと言われてしまいます。それで、自分でやることにしたのです。

あの時点では、ネット金融ビジネスこそが自分の馬力を最大限に発揮できるステージだと確信していたと言います。一方で証券ビジネスでは、手数料自由化が1999年10月と決まっていた。時間軸という座標が、さらに起業の後押しをしたのです。

暗いトンネルを歩く独身の若者の背面図
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秋元康さんはあえてみんなと逆に行く

人があまり行かないところに行く。これは、爆発的な成功の重要なヒントの一つかもしれません。

この人も、もし就職するとすれば、あえてみんなと逆に行く、と語っていました。作詞家であり、AKB48や乃木坂46をはじめとした大ヒットグループを生み出した秋元康さんです。音楽、テレビ、映画などで次々にヒットを世の中に送り出してきました。高校時代から放送作家として活躍してきた秋元さん。その「売れる」秘訣を聞きました。

秋元さんとて、自由業で、小さな一個人。

だから、みんなと同じことをしていたら負けてしまう、と語っていました。

みんなが集まっている野原には、野イチゴはない。だから、野イチゴがたくさんありそうな未開の場所を探すのだ、と。

流行に関わる仕事をしてきて感じていることがあったそうです。

それは、今はやっているものは、1年前に植えられていたということ。

例えば今、ヒマワリが高値で取引されているとして、ヒマワリを今から植えたらみんなと同じです。待っているのは、暴落しかない。必要なのは今、タンポポを植える勇気だというのです。