Why、What、Howをもれなく説明する
STEP2 浸透――全員に“実際に”行動してもらう
組織の力を最大限に発揮するためには、標準化された仕組みを組織全体に浸透させることが非常に重要です。そして仕組みを浸透させるには、まず目的をしっかりと理解させる必要があります。
仕組みを実行する意味を組織のメンバー全員が理解していなければ、各人が行動に移すことはできません。
また、何をどのようにやるかというルールを明確に伝えることが求められます。Why(なぜ)、What(何を)、How(どのように)の3点を漏れなく説明することで、メンバーの理解度は格段に高まります。
浸透の方法には、文書の回覧や掲示で済むケースもあれば、メールやグループウェアなどで配信する場合もあります。特に重要度が高い内容は直接全員に伝える必要があるなど、いくつかのパターンがあります。仕組みの内容や重要度に応じて、適切な浸透方法を選択することが求められます。
多くの企業では、仕組みの浸透が不十分なためにメンバーの行動が伴っていないケースが見受けられます。仕組みを実行するための目的が理解されていなかったり、行動指針が明確でなかったりするためです。
20人の行動と100人の行動では成果が全然違う
仕組みの浸透の成果は、次のステップの「振り返り」で確認できます。仕組みを実行した結果を評価し、改善につなげていくためには、メンバー全員が仕組みをしっかりと理解し、行動に移す必要があります。
組織の成果は、メンバー一人ひとりの行動の積み重ねによって生み出されます。20人が行動するのと、100人が行動するのでは、組織の成果に大きな違いが生まれます。組織の力を最大限に引き出すためには、できるだけ多くのメンバーを巻き込み、行動してもらうことが不可欠です。
仕組みを浸透させる際には、KPI(重要業績評価指標)を設定することも有効です。目標を数値化することで、メンバーは具体的に何をどれだけ行動すればよいのかを理解しやすくなります。
また、振り返りの際にも、目標に対する達成度を評価することができます。標準化された仕組みを組織全体に浸透させ、メンバー一人ひとりの行動を促していくことが、組織力を最大化するための鍵と言えるでしょう。