「自分がいなくても回る仕組みを作る」のがマネジャーの役割

STEP4 責任と権限――自分がいなくても、回るようにする

ビジネスにおいて、責任と権限を明確にすることは非常に重要です。ルールや権限を設定した後、そのルールや権限に対して誰が責任を持つのか、どのくらいの頻度でルールを見直すのかを明確にしておかないと、ルールが形骸化するリスクがあります。

たとえば、営業部の課長が責任を担うと決めておけば、その課長がいなくなっても次の課長がルールがちゃんと機能し続けるようにメンバーに指導するでしょう。自分がいなくても回るような仕組みを作ることが、マネジャーの役割だからです。

ただ、自分の存在意義がなくなってしまうのではないかと不安に感じるマネジャーもいるかもしれません。しかし、仕組み化によって浮いた時間を使って、別の付加価値を生み出せば、会社からの評価は上がるはずです。周りの人ができていないことをマネジメントできるようになれば、高く評価されるでしょう。

虫眼鏡で分析するビジネスマン
写真=iStock.com/takasuu
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5人のチームで成功したら、次は10人のチームを作る

ある程度仕組みが定着したら、その仕組みを人に任せて、自分は新たな仕組みづくりに回るのがよいでしょう。そうやって組織の成果を最大化できる仕組みを次々と作っていくことが、組織から評価され続けるポイントです。

岩田圭弘『仕組み化がすべて』(SBクリエイティブ)
岩田圭弘『仕組み化がすべて』(SBクリエイティブ)

たとえば、5人のチームで成功したら、次は10人のチームを作る。そして10人のチームが自動で回るようになったら、また新たに10人のチームを作っていく。そんな風にステップアップしていくことが重要だと言えます。

いきなり大きな権限を部下に与えるのはリスクが高いかもしれません。しかし、5人のチームを回せるようになったら次は10人、10人のチームを回せるようになったら次は20人というように、徐々に権限を拡大していけば、部下もスキルアップしていけるはずです。

責任と権限を明確にし、自分がいなくても回る仕組みを作ること、そしてその仕組みを作ったら次の仕組みづくりにシフトしていくことが、マネジャーに求められる重要なスキルだと言えます。

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