学校健診の意義や大切さの共有を
一方で、学校関係者や保護者は「学校健診で医師に身体を見せることは、自身の健康を守るために必要である」ことを、子どもたちに詳しく説明することも大切ではないでしょうか。私がメンバーとして活動している「教えて!ドクタープロジェクト」では、学校健診について3枚のPDFにまとめました。ぜひ利用していただけたらと思います。
学校健診について3枚にまとめました。
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) June 10, 2024
・医療者から学校の先生や保護者への説明
・学校の先生から保護者や生徒への説明
・保護者から生徒への説明
等にご活用いただければと思います。
印刷、配布はご自由にどうぞ。
後ほどPDFデータのリンク共有します。 pic.twitter.com/1G8iiFl0gj
そのうえで、どうしても集団健診に抵抗がある場合は、クリニックでの個別健診という選択肢も今後は議論に上がるかもしれません。ただ個別健診にすると、親子でクリニックへ足を運ぶ必要が出てくるため、健診実施率はどうしても下がります。子どもの隠れた病気を見逃さないためにも、個別健診の場合は必ず受診していただく仕組みを工夫したいところです。
今回は学校健診がなぜ必要なのか、各検査の内容と必要性、また着衣と脱衣の問題についてまとめました。私たち医療者が学校健診にこだわる理由――それは学校健診だからこその高い実施率によって子どもの隠れた病気を見つけて治療へつなげたい、それにより将来的に不利益が起こらないようにしたいという一心からです。そして保護者の皆さんが脱衣に懸念を抱くのも「子どもの尊厳を守りたい」という気持ちからでしょう。
どちらも子どもたちのことを大切に思っているからこその意見ですから、同じくらい重要だと私は考えます。医師と学校、保護者、そしてお子さんが健診に対する知識や考え方のギャップを埋め合う努力をし、納得して検診が受けられる環境が整うことを心から願っています。