孤独に対する怖れが薄らいでくる方法

ただ、「自分は孤独が好きだから、絶対に人とは交わらない」とか、反対に「自分は友達がいないとダメだから、人と交流しなければいけない」などと、決めつけることはしないほうがいいと思います。

誰しも、ひとりが気楽だと思えるときもあれば、ふと人恋しくなることもあります。ずっとひとりでいる必要もなければ、つねに誰かとベタベタ一緒にいる必要もありません。寂しいと感じたときに会える相手がいれば、それでいいのではないでしょうか。

孤独が怖いと感じている人も、いずれ孤独になるときが来るかもしれません。それなら、いまのうちから、孤独な時間を楽しむことに、少しずつ慣れておいてもいいかもしれません。

1日の中に、誰ともつながっていない時間を、意識的につくってみてください。

自然の中を散歩して楽しむシニア男性
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

ひとりで街を歩き、公園でぼんやりしたり、書店に入り浸ったりしてみる。夜の10時以降はひとりの時間と決めて、自室で好きな映画のDVDや動画を観る。

そんなふうに、ひとりの時間に親しむうちに、孤独に対する怖れが薄らいでくるはずです。

誰かと濃密につき合っていると、他人が入り込む余地はなくなる

いまの人間関係で、「離れるのが不安」と感じる相手、もしくはグループは存在しますか?

その人、あるいはそのグループから離れたら、自分はひとりになってしまう。それが不安だから離れられないのだとしたら、少し考えてみてください。

その人(たち)と一緒にいれば、不安がないかといえば、そんなこともないはずです。

相手が離れていってしまったらどうしよう。嫌われたらどうしよう。自分だけ仲間はずれにされたらどうしよう。

結局、いつもそんな不安がつきまとっているのではないでしょうか。それはとても不自由で、窮屈な状態でもあると思います。

誰かとベタベタとくっついていると、そこに他人が入り込む余地はなくなります。

四六時中くっついているカップルのことを、他人は遠巻きに眺めて、誰もわざわざその間に割り込もうとはしません。それと同じで、誰かと濃密につき合っていると、ほかの人は入り込めないものを感じて、あえてこちらと関わり合いを持とうとはしてこないものです。

すると、おのずと人間関係は固定されてしまいます。新しい出会いもなく、自分の世界が広がることもありません。