孤独という自由が、相手を受け入れるゆとりをつくる

離れるのが不安な相手から離れる。それは、とても勇気のいることです。それでも、離れれば、そこに必ず新鮮な空気が流れ込んできます。

ベッタリとくっついていたところから離れれば、必然的に隙間すきまが生じます。そこに、何かしらのものが流れ込みます。

和田秀樹『65歳からのひとりを楽しむ「いい加減」おつき合い』(PHP研究所)
和田秀樹『65歳からのひとりを楽しむ「いい加減」おつき合い』(PHP研究所)

それは必ずしもいいものばかりではなく、たとえば寂しさや不安といったものかもしれません。でもそれは、新鮮な寂しさであり、新鮮な不安であるはずです。

「ひとりになったらどうしよう」。いままでそんなふうに怖れていた、「ひとりになる」ことを、自分から選び、向き合ってみる。それによって、初めて感じられるものがあります。

ひとりの時間ができて、誰にも気兼ねせず、好きなことができる。特定の人に気を遣う必要もない。どんな人間関係も、自分の意志で選べる。そんな自由や解放感、ワクワクした気持ちを味わえるはずです。

「ひとりになったらどうしよう」という不安は、ひとりになれば消えます。ひとりになることでもたらされる、心と時間のゆとりが、新たな人との出会いを受け入れる素地になるのです。

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