最近疲れやすくなった。なぜか仕事のやる気が出ない――男性更年期の不調の背景には、男性ホルモン「テストステロン」の不足が大きく関係している。医師で順天堂大学大学院教授の堀江重郎氏は「テストステロンを増やすために、オメガ3を豊富に含む油の摂取が欠かせない」と解説する。学びのサイト「プレジデントオンラインアカデミー」の好評連載より、第1話をお届けします――。

※本稿は、プレジデントオンラインアカデミーの連載『人生のあらゆるパフォーマンスを最大化する!男性活力の源「テストステロン」を増やすメソッド10』の第1話を再編集したものです。

さまざまな種類の寿司
写真=iStock.com/DragonFly
魚はオメガ3を豊富に含み、テストステロンを上げるために有効な食材。(※写真はイメージです)

あなたが「男らしさ」を失った本当の理由

「テストステロン」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか。ボディービルダーのような筋肉隆々の逞しい体をイメージする人が多いのではないでしょうか。

確かに、テストステロンはマッチョな「男らしい体」をつくり出します。しかし同時に、テストステロンは「男らしい性格や行動」も生み出しています。例えば、リスクを恐れず、大胆な決断をする。責任感がある。好奇心が旺盛である。チャレンジ精神を持っている――といった「男らしい性格や行動」は、実はテストステロンの量によって大きく左右されることが研究でわかっています。

最近どうも元気がない。若いころのようにバリバリ働けなくなった。プライベートでもバイタリティが落ちてきたように感じる――あなたが「男らしさ」を失ってしまったのは、年齢的な体力の低下ではなく、テストステロンの低下が本当の理由かもしれません。

その活力低下は「男性の更年期障害」かもしれない

テストステロンは、ホルモンの一種類です。ホルモンは、私たちの体の様々な働きを調整する化学物質のこと。体内のいろいろな場所にある内分泌腺と呼ばれる器官で合成され、血液の流れに乗って体内を循環し、特定の細胞で効果を発揮します。

主に精巣(睾丸)で作られ、「男性ホルモン」の代表格とされるのが、テストステロンです。実は女性も体内でテストステロンを作っているのですが、テストステロンが男性ホルモンと呼ばれるのは、「これがないと男性になれない」から。男性生殖器、濃い体毛やヒゲ、がっしりした体つき、太い声帯などのいわゆる「男らしい体」は、すべてテストステロンの働きによるものです。