魚もテストステロンを上げるために有効な食材です。動物性脂肪の摂りすぎは前立腺がんを引き起こす危険を高めるので、肉を食べる際は脂身を適量にして赤身を選ぶなどの注意が必要ですが、魚は動物性脂肪を含まないので、この心配がありません。

良質な油と悪い油

特筆すべきは、魚はオメガ3を豊富に含むということです。イワシなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)をはじめ、一般的に親しまれている魚に含まれている油はいいものが多いと考えられます。サケ・ヒラメなどの白身魚もたんぱく質は豊富ですし、サバ・サンマ・マグロなどの赤身魚は鉄分を多く含みます。種類にこだわりすぎず、いろいろな魚を積極的に食べましょう。

私の母方の家族は銀座で天ぷら店を経営していて、祖父が年賀状に「油断大敵」と書いていたのをよく覚えています。これは一種のダジャレで、「油は断ってはならない」という意味だったようです。適切な油の摂取が健康に資するということを、祖父はよくわかっていたのでしょう。

(構成=奥地維也 イラストレーション=髙栁浩太郎)
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