パワハラをする人たちはどのような思考回路なのだろうか。人材育成コンサルタントの松崎久純さんは「パワハラをする人たちには、考えていることや性格に共通点がある。共通するのは、(ほとんどの場合)自分はわるくないと考えていることだ」という――。
パワハラしそうな人材を採用面接で見極めることはできるのか
40代会社員の方からのご相談です――私の職場にもパワハラをする人は何人も存在します。新卒入社で社歴の長い人もいれば、中途採用の人も。彼らの扱いには、多くの人が莫大なエネルギーを使っており、なぜこんな人たちが野放しにされているのか不思議です。パワハラをしそうな人材は、はじめから雇用しない。こんな考えが必要に思えますが、どんなものでしょうか。
私はパワハラの行為者(パワハラをする側の人)へのカウンセリングを専門に行っています。
カウンセリングをするに至った経緯は前々回の記事で、カウンセリングで行っていることは前回の記事で、それぞれ紹介しました。
今回は「パワハラ行為者たちが考えていることの共通点」「彼らの性格における共通点」についてお話したいと思います。
それを知ると、質問者の方がおっしゃる「パワハラをしそうな人材を採用しないよう配慮すること」が、いかに大事かよくわかるからです。
パワハラをする人は2つに分かれる
「パワハラをする人」は、大きく2つに分かれます。
1つは、特定の相手にパワハラをする(してしまった)人たちです。
たまたま、気の利かない部下や困った後輩などがいて、「その相手」に腹を立て、あるいは指導のつもりでしたことが、パワハラになっているケース。
注意の仕方や怒り方が、「それはパワハラ」とされてしまった人たちです。
もう1つは、特定の相手にとか、たまたまではなく、放っておけば誰かにパワハラをしてしまう人たちです。彼らがいると、日々接する人たちのうち、誰かがターゲットにされます。
私のカウンセリングの対象となるのは、こちらの人たちです。質問者の方が取り上げているのも、このタイプの人たちかと思います。
彼らは、(たまたまではなく)誰かを相手に、ほぼ必ずパワハラをします。