チャンスがあれば「ほぼ必ずしてしまう人」
「ほぼ必ずしてしまう人」がいるのは、パワハラに限った話ではありません。
たとえば、前職を職場内のケンカで辞めている。その前の仕事も職場で揉め事を起こして辞めている。こういう人はめずらしくありません。
派手なケンカでなくとも、職場内で冷戦のような状態をつくり出し、新しい仕事が見つかると転職する。こうしたことを(たまたまではなく)繰り返しするのが「ほぼ必ずしてしまう人」です。
「セクハラと見透かされないように」と注意しながら、飲み会を頻繁に開催し、若い女性社員を「強制じゃないけど……」と誘う。考えていることは100%セクハラなのがバレバレの男性社員。
この人も同じく、それを(たまたまではなく)チャンスがあれば「ほぼ必ずしてしまう人」です。
もう1つ例を挙げましょう。私はかつて、勤務先で手癖のわるい人と隣の席になって、本当に困ったことがありました。
かなり年上の人でしたが、その人は私が自前で購入し、机に入れている文具(ペンや蛍光マーカー、定規など)を盗んでしまうのです。それは一度だけでなく、何度も繰り返し行われました。たまたま私の文具が気に入り、魔が差して、やってしまったのではありません。
彼は、どうしようもなく「ほぼ必ずしてしまう人」で、それ故に私の私物にも手を出したのです。
私がパワハラ行為者のカウンセリングで会うのは、こうした「ほぼ必ずしてしまう人たち」の中で、行ってしまうことが「パワハラ」の人たちなのです。
パワハラをする人たちの共通思考
ケンカや冷戦、セクハラ、盗難を「ほぼ必ずしてしまう人たち」には、それぞれに共通する特徴があるように思えます。
そして、「パワハラをほぼ必ずしてしまう人たち」にも、やはり考えていることや性格に共通点があるのです。
パワハラをする人たちに共通するのは、(ほとんどの場合)自分はわるくないと考えていることです。
彼らは、「自分は言いたいことの2割くらいしか口にしておらず、至らない相手(被害者)に対しては、むしろ自分を押し殺し、寛大に接している」と信じています。したがって、パワハラと言われても致し方ない部分はあっても、それで騒がれるのは心外だと思っているのです。