パワハラをする人がパワハラをやめることはできるのか。人材育成コンサルタントの松崎久純さんは「カウンセリングで行為者の性格が変わることはないが、行為者がパワハラをしなくなった例はいくつもある」という――。

パワハラ上司は変わることができるのか

50代会社員の方からのご相談です――私の会社にもパワハラをする社員が少なからずいます。彼らがパワハラをしなくなることはあるのかと思うほど、それぞれスイッチが「入りやすい」あるいは「入ったまま」の性格をしています。こうした人材が、何らかの教育やカウンセリングによって周囲から慕われるようになる。そんなことは実際にあるのでしょうか。

私はパワハラの行為者(パワハラをする側の人)へのカウンセリングを専門に行っています。

カウンセリングをするに至った経緯については、前回の記事を参照していただきたいと思いますが、そんな私がよく聞かれる質問は、「カウンセリングを受けるのはどんな人か」と「カウンセリングでは何を話すのか」です。

それがどんな人かは、まさに質問者の方のおっしゃる「この人が変わることなどあり得るのか」と、同じ職場の人たちに思われている人たちです。

彼らは、自ら望んでカウンセリングを受けるわけではありません。

カウンセリングに申し込むのは、彼らのパワハラ行為により、退職者が相次ぐなどの被害を受けている会社です。

私は依頼を受けて、まずはパワハラ行為者の上司や関係者から話を聞きます。

行為者には、その後、カウンセラーとの面談の準備がある旨を伝えてもらい、本人が同意すれば、面談を実施することになります。

カウンセリングで行為者の性格が変わることはありませんし、それは目的としていることでもありませんが、カウンセリングを受けた行為者がパワハラをしなくなった例はいくつもあります。

ビジネス面談
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

カウンセリングでおこなう6つのこと

ここでは「カウンセリングでは何をしているか」について、お伝えします。それによりカウンセリングから期待できることが、おわかりいただけると思います。

カウンセリングという言葉からは、行為者と会話をするシーンを想像されるかと思いますが、私がカウンセリングと呼んでいるものは、以下がワンセットになっています。

・行為者の上司や関係者から事情を聞く
・(可能であれば)被害者からも事情を聞く
・(行為者には伝えずに行う)行為者の職場への訪問と観察
・パワハラ行為者との面談(1回あたり3時間~6時間)が複数回
・行為者の上司や関係者への報告が複数回
・(可能であれば)被害者への状況説明