子供の気質的な特性に対して、親はどう対応するべきか。心理学者で遺伝学研究者のダニエル・ディック博士は「外向性の高い子どもは社交的ですぐに友達をつくることができる一方で、低外向性で特に情動性が高くない子どもは、あまり手がかからないという利点がある。しかし、物静かで親や先生との関わりも少ないので、『大人をあまり必要としていない子』という印象を与えてしまい、大人から必要な配慮を受けられないことがあるから注意が必要だ」という――。
※本稿は、ダニエル・ディック(著)、竹内薫(監訳)『THE CHILD CODE 「遺伝が9割」そして、親にできること わが子の「特性」を見抜いて、伸ばす』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
外向性と内向性は別物ではなくひと続き
本稿では、外向性の高い子どもから低い子どもまで、どのような特性を持つのかをお話しします。これは、あなたが自分の子どもをよりよく理解し、その子の外向性レベルが子どもの行動や親子関係に与える影響を理解するのに役立ちます。
私たちは外向性と内向性を別物のように表現しますが、実際はひと続き(スペクトラム=連続体)であることを覚えておいてください。
研究の世界では、人間は外向性の高い人から低い人までさまざまであると考えます。ここでは「外向性」と「内向性」という言葉を、ひと続きの尺度の中で高いほうと低いほうに位置する子どもを表わす用語として使います。
ですが、子どもは必ずしも「どちらか一方」ではなく、幅広いグラデーションの中にいて、多くの子どもはその中ほどに位置すると覚えておくことが重要です。中程度の外向性の子どもは大人同様、外向性と内向性の特徴を併せ持つでしょう。