フリーウェイトで絶対にやってはいけないこと

今までいろいろな種類の筋トレについて小出しにしてきましたが、ここでは筋トレの種類について解説します。まずは図表3を御覧ください。

それぞれについてメリット・デメリットがあります。

フリーウェイトトレーニングはダンベルやバーベルなどの器具を使ったトレーニングです。前項でもお話ししましたが、重りの重さを増やせば増やすほど負荷を上げられるのがメリットです。また、1つの筋トレで複数の筋肉に刺激が入りますので、1回で複数の筋肉が鍛えられます。

ただ、デメリットも複数存在します。まず、ちゃんとしたフォームでしないと目的とする筋肉が鍛えられません。やり方をしっかり学ぶ必要があります。また、ダンベルなどを顔や足に落とすというケガのリスクがあります。

そして、ダンベルやバーベルは比較的高価ですので、買い揃えるのが大変ですし、置く場所も困ります。ですから、ジムに行かないとなかなかトレーニングするのが難しいです。代用として、筋力が低かったり小さい筋肉を鍛えたりする場合には、ペットボトルなどを利用することもできます。

自重トレーニングはおそらくいちばん有名な筋トレで自分の体重を利用した筋トレです。スクワットや腕立て伏せ(プッシュアップ)などがこれに当たります。自宅でできますし、お金もかかりません。負担も少ないので安全にできます。

ただ、自重を利用するため筋力が上がってきたら負荷を増やしていくのが難しい点と背中の筋肉などに刺激をかけるのが難しい点がデメリットです。

マシントレーニングはフリーウェイトトレーニングに近く、機械で重りを持ち上げる筋トレです。ウェイトトレーニングのよいところを持ちながら、さらに機械を使うので一定方向にしか動かない、重りを身体に落とす心配がないなどのメリットがあり、安全に高重量を扱えます。

ただ、機械が大掛かりになりますので、自宅では困難であるのと遠心性収縮(筋肉に力がかかりながら伸びていく状態)で負荷がかかりにくいとされている点がデメリットです。また、一定の方向しかかからないため、鍛えられる筋肉も絞られます。

ケーブルトレーニングはフリーウェイトトレーニングとマシントレーニングの間のようなトレーニングで、ケーブルを使って重りを持ち上げる筋トレです。マシンと違ってケーブルの自由度が高い分、やり方を習得すれば非常に有効で安全に高負荷で複数の筋肉に刺激が入り、最初から最後まで均一に負荷がかかります。

ただ、やはり最初は慣れないと目的とする筋肉に刺激が入らないのと、こちらもジムがどうしても必要になってきます。

低負荷をスローで、高負荷と同等の効果

さて、いろいろな筋トレを紹介してきましたが、筋力が低い間は自重トレーニングで十分でも、だんだん筋力がついてくると負荷が足りなくなってきます。そういった時におすすめしたいのがスロトレです。

大坂貴史『75歳の親に知ってほしい!筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)
大坂貴史『75歳の親に知ってほしい!筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)

スロトレとは(主に)自重トレーニングを行う際にゆっくりとした動作で行うという単純なものです。その結果、低負荷をスローでやることで、高負荷での筋トレとほとんど効果が変わらなかったとされています(※8)

しかもその上、筋トレ中の血圧の上昇が高負荷よりも少なく、膝の負担も少ないです。まさに、ご高齢の人がする上で夢のようなトレーニング方法です。

いろいろなやり方があるのですが、筋トレにかける時間と筋肥大の効果を示した研究を複数まとめて解析した報告(※9)では、0.5秒〜8.0秒でのトレーニングがよかったと指摘されていて、あまりにもゆっくりしすぎてしまうと効果が落ちてしまうと考えられており、8秒までをひとつの目安にしましょう。

私の動画でもスロトレの動画をつくっていますので、ご覧いただければと思います。

※1 WHO 身体活動・座位行動ガイドライン

※2 Momma H, et al. Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Br J Sports Med. 2022 Jul;56(13):755-763.

※3 Sato S, et al. Effect of daily 3-s maximum voluntary isometric, concentric, or eccentric contraction on elbow flexor strength. Scand J Med Sci Sports. 2022 May;32(5):833-843.

※4 厚生労働省 e- ヘルスネット 運動プログラム作成のために原理原則

※5 NESTA JAPAN 事務局 PERSONAL FITNESS TRAINER 日本語版

※6 Currier BS, et al. Resistance training prescription for muscle strength and hypertrophy in healthy adults: a systematic review and Bayesian network meta-analysis. Br J Sports Med. 2023 Jul 6:bjsports-2023-106807.

※7 Csapo R, et al. Effects of resistance training with moderate vs heavy loads on muscle mass and strength in the elderly: A meta-analysis. Scand J Med Sci Sports. 2016 Sep;26(9):995-1006.

※8 Tanimoto M, et al. Effects of low-intensity resistance exercise with slow movement and tonic force generation on muscular function in young men. J Appl Physiol (1985). 2006 Apr;100(4):1150-7.

※9 Schoenfeld BJ, et al. Effect of repetition duration during resistance training on muscle hypertrophy: a systematic review and meta-analysis. Sports Med. 2015 Apr;45(4):577-85.

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