無理のない範囲で作ればいい

こうして私たちの食生活はより便利で多彩になりました。地産地消で新鮮な食材を家庭で料理するのは素晴らしいことです。でも、そうしないと安全に栄養を摂取できないわけではありません。手作りすると栄養価が上がるということもありません。

先日、在宅栄養専門管理栄養士の塩野﨑淳子さんが書かれた書籍『栄養指導のスペシャリストが教える体に良い食べ物・悪い食べ物大誤解!』を読みました。「その食品の『ナチュラルさ』はどれだけ栄養価に影響がある?」「添加物は『食品加工』英知」などの項目があり、とても面白く学ぶことができました。

もちろん、家で手作りする料理のほうが優れている面もあります。お子さんは両親が自分のために料理を作ってくれたらうれしいでしょうし、家族の好みに合わせることができますし、家庭の味を教えることもできます。調理過程を見ることで、子どもが大きくなってから自分も調理ができるようになるかもしれません。でも、忙しくて手作りが難しいときもあるでしょう。ですから無理のない範囲で作ればいいと思います。お惣菜を買ってきて、野菜たっぷりのサラダ、お味噌汁やスープを合わせるといいのではないでしょうか。

前述の本の帯には「大事なのは「量」と「バランス」! “根拠ある”栄養知識でおいしく健康になる方法」と書かれています。本当にその通りで、生きていくのに欠かせない水や塩でさえ量が多すぎれば命を失うこともあります。医療と同様、栄養についても量やバランスについて正確な知識を知っていただけたらと思います。

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