高齢者の食生活は何に気をつければいいか。医師の和田秀樹さんは「年をとればとるほど『栄養があまる害』より『栄養が足りない害』のほうが大きい。粗食はストレスにつながり、免疫機能にも悪影響をおよぼし、病気やがんの発症率を高める。リスクをとりたくなければかたよらず何でも食べることだ。その意味でコンビニ弁当は非常にバランスよく栄養を摂れる長寿食である」という――。

※本稿は、和田秀樹『病気の壁』(興陽館)の一部を再編集したものです。

店に陳列されたお弁当
写真=iStock.com/CandyRetriever
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戦後、結核になる日本人が減少した理由

戦前は世界でもっとも短命だった日本が長寿大国になったのも栄養のおかげだと思います。戦前はなぜ短命だったのかというと、日本では結核が命とりとなっていたのです。

1950年前後に結核は治まり、脳卒中が死因のトップになるのですが、ストレプトマイシンという薬ができたから結核で命を落とす人はいなくなったのだ、というのが医者の認識。

でも実際にはストレプトマイシンは結核の治療薬であって、結核にならないための予防薬ではありません。当時、ストレプトマイシンが高価だったこともあり、そんなに普及しなかったなか、戦後、結核死が減ったのは、結核になる人が激減したからです。

だったらどうして結核になる人が減ったのかというと、米軍が配った脱脂粉乳によって日本人のたんぱく質摂取量が画期的に増えたからでしょう。

栄養状態がよくなり、免疫力がついたというのが真実です。戦前だって結核には卵がいいとされていたのです。ただ、予防効果はともかくとして、結核になってからの治療としては栄養だけでは非力でしたが。

脳卒中についても、医学界では血圧を下げる薬ができたおかげで脳内出血が少なくなったから患者が減少したというのが通説ですが、調べてみると、昭和30年代、40年代は血圧が150mmHg程度の人でも脳内出血を起こしていたのです。