お金も人脈もない人が選挙で勝つにはどうすればいいのか。前明石市長の泉房穂氏は「お金や人脈がなくても、市民の共感を得て、市民を味方につけることができれば、選挙には勝てる」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、泉房穂『10代からの政治塾 子どもも大人も学べる「日本の未来」の作り方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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「金なんかいらん」父に言った今でも忘れない言葉

私が親に初めて「政治家になりたい」と言ったのは、22歳の頃でした。大学卒業後の進路について話していたときのことです。親はいつも、私がやりたいことすべてに協力的でした。ところが「政治家になる」と言ったこのときだけ、父親が初めて、私に反対したのです。

「お前の夢を叶えてやりたいけど、政治家は無理や。わしには金もないし人脈もない。お前を選挙に出したくても、そんな金はどこにもない」

「金なんかいらん。この口があるやないか。語る言葉があれば、人はわかってくれるはずや」このとき父親に言ったこの言葉は、今も常に私の心にあります。