自己否定に走らず、ポジティブに捉える
頑張って仕事をしている人ほど、振り返りは苦痛に感じるかもしれません。
私も含めて、自分のやっていることが間違っているとは思いたくなく、逆に自分を褒めてあげたい気持ちの方が強いかもしれません。
その思いは最前線で働いている人であれば、誰にでも共通してあると思いますが、先述の図表1で示したように、「社内会議」、「資料作成」、「メール」という仕事の約7割を占める3大タスクは、振り返って冷静に見つめ直してみないと、上手く機能しているのかどうか、判断することができません。
振り返ることを習慣にしてしまえば、苦痛よりも、その効果の大きさの方を実感できるようになり、「身軽」な状態を作り出すことができます。
ここで大事なのは、1週間を振り返ることによって、「自分は今まで、こんなムダなことを繰り返してきたのか……」と自己否定に走るのではなく、「これをやめれば、こんなことができるな」と自己効力感を高めて、ポジティブに捉えることです。
仕事終わりに一日を振り返る習慣が理想
仕事のムダを見つけ出すことは、自分の失敗を探すことが目的ではありません。
働き方の改善点を発見して、それをスキルアップに活用し、仕事の幅を広げることが目的ですから、ネガティブな気持ちになる必要はありません。
「間違い探しゲーム」に挑むくらいの感覚で、前向きに続けることが大切です。
この「15分」という時間設定は、何度も実証実験を繰り返した結果、最も再現性が高かったことから得られたものです。
5分や10分では、スケジュールに組み込んでも時間が短すぎて見落としてしまうことが多く、30分や1時間では他のタスクの時間を圧迫してしまうため、現実的に継続が難しくなります。
スケジュール的にも、しっかりと振り返るという点でも、15分が適切という判断によるものです。
理想をいえば、毎日の仕事終わりに、その一日を振り返る習慣が持てれば効果が高くなりますが、それもまた大変な苦痛を伴います。
毎週金曜日の午後3時から15分だけその週を振り返ることが、無理なく続けられる時間設定だと思います。