仕事のスピードを上げたいとき、メンタルはどう整えるといいか。社員の週休3日・リモートワーク・複業を実現しながら800社以上の働き方改革を支援する、クロスリバー代表・越川慎司さんは「メンタルに直結する外部環境を整えるための第一歩は、『目』がキャッチする情報を、いかに抑えるかがポイントだ。成果を出し続ける人たちの作業環境を調査したところ、デスク周りを黒や白などの「単色」で統一している人が大多数を占める。また、ダラダラと仕事を続けることになって、作業効率が悪くなるため、デスク上に大容量のドリンクを置くのもおすすめしない」という――。

※本稿は、越川慎司『仕事は初速が9割』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

ペットボトルとパソコン
写真=iStock.com/NongAsimo
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メンタルを整えないと初動スピードは上がらない

仕事の初速を上げるためには、メンタル(精神状態)を整えて、ポジティブな気持ちを維持することが重要です。

私たちのメンタルには、次の2つの「環境」が大きな影響を与えています。

①外部環境(作業場所、温度、湿度など)
②内部環境(睡眠、自律神経、ストレスなど)

本稿では、前向きな気持を手に入れるための外部環境における「メンタル」の整え方に焦点を当てて、5のポイントを紹介します。

外部環境1 デスク周りを黒や白などの「単色」で統一する

外部環境と内部環境から受ける影響には、それぞれ個人差があります。

現在の状況を冷静に見つめ直して、自分に合った整え方を工夫してみることが大切です。

「やる気が起こらない」とか、「集中力が続かない」という問題は、私たちを取り巻く外部環境が大きく関係しています。

外部環境の中でも、格段に大きなウエイトを占めるのが、「視覚環境」です。

人間には、外部の情報や刺激をキャッチするセンサーが1100種類あるといわれていますが、その中の1000種類は視覚による情報が占めています。

外部環境を整えるための第一歩は、「目」がキャッチする情報を、いかに抑えるか……がポイントとなります。

成果を出し続ける人たちの作業環境を調査したところ、デスク周りを黒や白などの「単色」で統一している人が大多数を占めることが明らかになりました。

パソコンのキーボードやマウスパッド、デスクマットや筆記用具などをブラックやホワイトなどの単色で揃えて、目から入る情報を極端に少なくしているのです。

カラフルな色彩のアイテムが作業デスクの周囲にあると、眼精疲労の原因になったり、気が散る要素が増えることで、集中力の維持が難しくなります。

デスク周辺をシンプルな色に統一すれば、余計な視覚情報が排除されるため、「ゾーン」(集中力が高まり、感覚が研ぎ澄まされた状態)に入りやすい環境になります。

初速を上げて、作業効率をアップするためには、デスク周りの色彩をできる限り抑えることが有効な手段となります。