忙しく働き実績を出しているのに、いつも涼しげに見える人は何が違うのか。多くの企業でデジタル変革のコンサルティングを行っている岡田充弘さんは「数千人のワーカーの振る舞いや思考特性、パフォーマンスなどをつぶさに観察しているうちに、超多忙なのに余裕に見える人には“絶対やらないこと”があることが分かってきました」という――。
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写真=iStock.com/arbaz bagwan
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成果が無いのに忙しそうな人、多忙なのに余裕に見える人

世の中には、実際は多忙なのに、はたから見るといつも余裕そうにしている人がいます。一方で、これといった成果が無いにもかかわらず、いつも忙しそうにしている人もいます。その違いは一体どこにあるのでしょうか。

私は謎解きゲーム企画会社を経営する一方で、人・組織のデジタル変革を手伝うコンサルティング会社を営んでいるのですが、職業柄、日頃多くの人に出会う機会があります。

そんな中、私は長い年月をかけて数千人のワーカーの振る舞いや思考特性、パフォーマンスなどをつぶさに観察しているうちに、超多忙なのに余裕に見える人には「絶対やらないこと」があることが分かってきました。

今回はその一つひとつを掘り下げて解説していきたいと思います。

1.SNSやネットニュースと距離を置く

余裕が無いというのは自分にとって時間が無い状況を指しますが、その時間は大別すると「意識的な時間」と「無意識的な時間」の2つに分かれます。

一般的に、予定やタスクのような「意識的な時間」は比較的自分で制御しやすいのですが、娯楽や休息のような「無意識的な時間」は、自分で制御するのは難しいものです。

特にスマホでSNSやニュース、動画などを見ていて、気がついたら「もうこんな時間⁉」と焦った経験は、おそらく誰しも記憶にあるのではないでしょうか。もちろん私にもありますし、今でも気を抜くと流されてしまう人間のさがみたいものは、他の人とそれほど変わりません。

ただ、無意識の時間は直接的に何かを生み出しませんので、すべて断つとは言わないまでも、ほどほどに抑えられるに越したことはないでしょう。

そのための最善策は「無意識的な時間」を生み出す行為と“適切な距離を置く”ことです。「なんだそんなことか」と思われる方もいるかもしれませんが、物理的にも心理的にも距離をとることで余裕が生まれ、その時間を内省に充てることで、自分を深く理解することができ、心の底から本物の余裕や自信がふつふつと湧いてくるのです。