いつも余裕のある人は何をしているか。社員の週休3日・リモートワーク・複業を実現しながら800社以上の働き方改革を支援する、クロスリバー代表の越川慎司さんは「いつも『身軽』な状態を作るための準備として、私の会社では『毎週金曜日の午後3時から、15分だけ1週間の振り返りの時間を作る』ことを推奨している。これを実施した結果を追跡調査したところ、ムダな時間を1年で200時間も削減し丸々1カ月分の時間を取り戻せていたことがわかった」という――。

※本稿は、越川慎司『仕事は初速が9割』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

3時に設定された目覚まし時計
写真=iStock.com/Jennifer Miranda
※写真はイメージです

仕事の初速を上げるために「身軽」な状態を作っておく

初速を上げて、早く成果にたどり着くためには、これから始めるタスクの解像度を上げるだけでなく、前向きにタスクと向き合えるように感情をコントロールするなど、さまざまな準備が必要です。

まずは、何から手をつければいいのか?

本稿でお伝えするのは、「身軽」な状態を作るということです。

そのためのポイントを順に解説していきます。

準備①-1 一つ仕事が増えたら、他の仕事を一つ減らす

新たなタスクを始める際には、ある程度は「身軽」な状態を作っておかなければ、早いスタートが切れなくなります。

現在のタスクを丸ごと抱えたままでは、作業のための時間が足りなくなり、すぐに身動きが取れなくなります。

誰にでも適正なキャパシティ(容量)がありますから、その容量以上に仕事を抱え込んでしまうと、効率が悪くなるだけでなく、すべてのタスクが未消化に終わる危険性が高まります。

大事なポイントは、「一つ仕事が増えたら、他の仕事を一つ減らす」という視点を持つことです。

常にこの視点を意識していれば、新たなタスクを始めるときだけでなく、日常的にムダな仕事を減らすことができます。

ビジネスパーソンの間でよく話題に上がる「週報」の作成などは、最初に検討すべきタスクといえます。

週報とは、1週間の行動を上司に報告するための「ウィークリーレポート」のことですが、面倒で時間がかかる作業のわりには、生産性はゼロです。

管理する側の上司は必要不可欠と思っているのかもしれませんが、実際にはあまり効果がなく、形骸化した習慣になっていることが珍しくありません。

会社や上司が週報を評価するのであれば、その作成に1時間とか2時間を費やしてもいいでしょうが、提出することが目的なのであれば、コピペなどを多用して5分で終らせる必要があります。

これが仕事を「減らす」ことにつながります。