※本稿は、越川慎司『仕事は初速が9割』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
仕事の初速を上げるために「身軽」な状態を作っておく
初速を上げて、早く成果にたどり着くためには、これから始めるタスクの解像度を上げるだけでなく、前向きにタスクと向き合えるように感情をコントロールするなど、さまざまな準備が必要です。
まずは、何から手をつければいいのか?
本稿でお伝えするのは、「身軽」な状態を作るということです。
そのためのポイントを順に解説していきます。
新たなタスクを始める際には、ある程度は「身軽」な状態を作っておかなければ、早いスタートが切れなくなります。
現在のタスクを丸ごと抱えたままでは、作業のための時間が足りなくなり、すぐに身動きが取れなくなります。
誰にでも適正なキャパシティ(容量)がありますから、その容量以上に仕事を抱え込んでしまうと、効率が悪くなるだけでなく、すべてのタスクが未消化に終わる危険性が高まります。
大事なポイントは、「一つ仕事が増えたら、他の仕事を一つ減らす」という視点を持つことです。
常にこの視点を意識していれば、新たなタスクを始めるときだけでなく、日常的にムダな仕事を減らすことができます。
ビジネスパーソンの間でよく話題に上がる「週報」の作成などは、最初に検討すべきタスクといえます。
週報とは、1週間の行動を上司に報告するための「ウィークリーレポート」のことですが、面倒で時間がかかる作業のわりには、生産性はゼロです。
管理する側の上司は必要不可欠と思っているのかもしれませんが、実際にはあまり効果がなく、形骸化した習慣になっていることが珍しくありません。
会社や上司が週報を評価するのであれば、その作成に1時間とか2時間を費やしてもいいでしょうが、提出することが目的なのであれば、コピペなどを多用して5分で終らせる必要があります。
これが仕事を「減らす」ことにつながります。