若手社員を褒めるときには、「昭和の常識」を振りかざしてはいけない。若手社員育成専門コンサルタントの伊藤誠一郎さんは「若手社員には『人から注目を浴びるのが苦手』という傾向がある。本人にだけ伝わるように褒めるか、ほかの若手社員と一緒に褒めたほうがいい」という――。(第1回/全3回)
※本稿は、伊藤誠一郎『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
若手社員を「人前でほめる」のはNG
組織の一員として若手社員の貢献度を認め、モチベーションを高めることと同時に、個人として成果を出したときに、しっかりと評価してあげることも大切です。
・新しい仕事を1人で完遂できるようになったとき
・自分の力で大きな仕事を勝ち取ってきたとき
・臨機応変な対応でトラブルを回避したとき
・自分の力で大きな仕事を勝ち取ってきたとき
・臨機応変な対応でトラブルを回避したとき
などなど、ほめてあげるべきタイミングはけっこうあります。そんなとき、上司は「素晴らしい!」「よく頑張ったじゃないか!」とみんなの前でほめたくなりますが、それをうれしいと思う若手もいれば、少々照れくさい、恥ずかしいと思う若手もいることに注意してください。
しかも、「人前でほめる」という点に関して、最近の若手社員の中には「恥ずかしい」「できればちょっとやめてほしい」と思う人が多い傾向にあります。上司からすると良かれと思ってしたことが、逆に若手にはネガティブな感情を持って受けとめられてしまうのです。ほめられて微妙な表情をしている若手社員に対して、「なぜそう思うのか?」を私なりにこっそりリサーチしてみたところ、次のような言葉が返ってきました。
「人から注目を浴びるのが苦手」
「自分はそんなたいした人間じゃないのに、すごいと思われたくない」
「これからの仕事も全部同じようにできると期待されて怖い」
「自分はそんなたいした人間じゃないのに、すごいと思われたくない」
「これからの仕事も全部同じようにできると期待されて怖い」
ほめた上司側は「まあまあいいじゃないか、ほめてるんだから」と自分のポジティブな気持ちのまま軽く流してしまいそうになりますが、想像以上に「人前であまりほめられたくない」と感じる若手が多いことを認識しておく必要があります。