若手社員の「非常識な発言」にはどう対応すべきか。若手社員育成専門コンサルタントの伊藤誠一郎さんは「最近の若手社員のなかには、入社してすぐに上司に対して転職についての質問をする人がいる。いままでの常識で考えればありえないことだが、『若手社員は会社を辞めたがっている』と考えるのは間違っている」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、伊藤誠一郎『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

「動かない」のではなく「動けない」

「最近の若手は言われるまで何もしない」
「最近の若手は言われたことしかやらない」

日々の仕事のなかで、若手社員に対して、このような不満を持つことはありませんでしょうか。これらは、企業の管理職の方々に「最近の若手社員をどのように感じていますか?」と、答えの範囲が広めの質問をしたときに最も多く聞かれる声です。中には「言われたことしかやらない指示待ち人間」「自分からはまったく動かない」と、よりはっきりした言い方をする人もいます。

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若手社員の立ち振る舞いに大きな不満を抱えている上司や先輩が多いことがわかります。しかし、最近の若手は「自ら動かない」などとネガティブな感情を抱いているかぎり、彼らとの距離が縮まるはずがありません。一刻も早くこの状態を解消して若手社員と良好な関係性を築くためにも、彼らの真の姿を理解する必要があります。

若手社員は「動かない」のではありません。「動けない」のです。この視点に立つと、だいぶ受けとめ方が変わってくるはずです。