特に算数に関して、親はどのように子供の勉強のフォローをするといいのか。東大や御三家中合格者、数学・算数オリンピック出場者を輩出している中学受験エルカミノの村上綾一さんは「算数が苦手という多くの親が子供に間違った教え方をしている」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily 算数が大得意になる 2023完全保存版』(プレジデントムック)の一部を再編集したものです。

① 親の間違った教え方:「単純な計算問題はやらせない」

→小3までは徹底的に計算練習を

「算数が得意な子は、もとから頭のできが違う」

そう思っている親は少なくありません。特に、算数や数学が苦手だった人に多いように感じます。算数はひらめきで解けるもので、ひらめくことができる子はもとから脳の作りが違うと考えているのです。

しかしそれは幻想です。算数が得意な子は、問題を解いたとき「(この問題)知っている!」と言います。決して「ひらめいた!」とは言いません。なぜなら、彼らは基礎をしっかり身につけ、演習を多くこなす中で、いくつもの思考パターンを持っているからです。何もないところから「ひらめく」なんてことはないので、算数は才能ではありません。どんな子でもかならず、算数がわかります。

しかし、親が間違った教え方をしているがために、子供が算数嫌いや苦手になってしまっているというケースが多く見られます。そこで、子供の算数の力を妨げる親の「やってはいけない教え方」を紹介しながら、算数を得意にする方法をお伝えしていきます。

『プレジデントFamily 算数が大得意になる 2023完全保存版』(プレジデントムック)
『プレジデントFamily 算数が大得意になる 2023完全保存版』(プレジデントムック)

算数の土台は計算力です。私の塾では、小学3年生の終わりまでに分数のかけ算・わり算を含め小学6年生までに習うすべての計算を教えます。そして基本的な計算問題を徹底的に繰り返しさせます。

最近は、論理力や応用力などを重視する風潮があるためか、単純な計算問題に取り組むことを軽視している親が多いです。計算力は算数を解くときの“体力”のようなもの。スポーツをする際、いくらテクニックを磨いても、体力がなければうまくはいかないことと同じです。

「自分が子供の頃、計算はあまりやっていなかったからさせる必要はない」という親もいます。しかし、30~40代の親が子供だった頃に比べて、今は小学校での演習量が減っており足りていません。家庭で計算練習をさせることは今の子供には欠かせないものなのです。

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