北海道4世として先人の開拓魂に啓発されることが多いが、建国100年余の若い国アメリカを、欧州列強を差しおいて北海道の開拓に登用した決断に明治政府の気概を感ずるとともに、新興国だった当時のアメリカは国威発揚のビッグチャンスとして期待に応えようとした。

一方、内村鑑三や新渡戸稲造を輩出した札幌農学校の学生たちの魂の叫びも聞こえてくる。

北海道という晴れ舞台で父祖の地ヨーロッパに負けてなるかと頑張った若きアメリカ人たちの開拓者精神と、鎖国から目覚め世界を相手にいざ飛躍せんとする学生たちの志はベンチャー企業家が新規市場を開拓するうえで必須の心の持ちようを教えてくれる。開拓使の役人たちとアメリカ人の軋轢に文明の衝突の原点をみる楽しみもある。