10年以上前、人生の目標や使命について考えていた頃、この本に出会った。

心理療法家が、具体的な臨床場面に綿密な検討を加えながら、人間としての愛のあり方を吟味していく内容だ。

本書で最も感銘を受けたのは、love(愛)の定義である。loveとは、like(好き)が昂じた心の状態を指すのではなく、「他者の精神的成長を培うために、自己を拡げようとする意志」であるとある。

会社組織に置き換えれば、部下を好き嫌いの感情で選り好みするのではなく、1人ひとりの才能や強みをどのように引き出し、活かしていくかを考え、行動に移すことこそ、リーダーが示すべき愛ということになるだろう。

人生の中で大きな影響を受けた本であり、子供たちにも読むよう勧めている。