潰れる会社のオフィスや社長室には共通点がある。特定行政書士の横須賀輝尚さんは「かつては『ビリヤード台があると潰れる』とよく言われたが、断言はできない。オフィスデザインに社長の嗜好が反映されること自体は問題ないが、それが見栄から来ている場合は要注意だ」という――。

※本稿は、横須賀輝尚『プロが教える 潰れる会社のシグナル』(さくら舎)の一部を再編集したものです。

職場でビリヤードをしている同僚
写真=iStock.com/aywan88
※写真はイメージです

「会社にサーフボードを置いている会社」は危ないのか

潰れそうな会社のシグナル、「組織編」です。

社長の変化やお金の変化は比較的見えやすいですが、組織の崩壊っていうのはちょっと見えにくい。そんな中でもできるだけ察知しやすいシグナルをまとめました。

もちろん、これがすべてではありませんが、もしかしたらもう身近にそういう兆しが見えているかもしれません。そういうわけで、潰れそうな会社のシグナル、「組織編」です。

まずは軽めの話。

「会社にビリヤードがあると潰れる」みたいな話が都市伝説のようにあります。「社員同士が仲良く、仕事だけじゃなくて楽しめる職場」で、かつ「成功している会社」の象徴かのようにいわれるのがビリヤード。

なぜ、卓球でもなくゲームセンターの筐体でもなく、ビリヤードなのかはわかりませんが、ともかくかつてはよくいわれました。「新築の本社」や「豪華絢爛な受付と美人受付嬢」なども、この手の話題ですね。

これは、「会社のお金を無駄に使っている」とか、「会社は遊ぶところではない」みたいなところから来ていると思うのですが、案外こういう社長の趣味がオフィスに反映されている会社ってあるものです。

そして、それが潰れる会社のシグナルかといえば、まあまったく断言できません。

例えば、社長のサーフィン好きが高じすぎて会社にサーフボードを置いている会社もあれば、同じく趣味の楽器だらけの会社もあるわけで。それイコール危ない会社とは言い切れません。世界的に有名な企業のパタゴニアとかにもサーフボード置き場がありますしね。

その備品やデザインは「なんのためにあるのか」

結果として民事再生の憂き目となってしまいましたが、こうした福利厚生で有名だった企業にワイキューブという会社があります。

創業者の安田佳生氏自身が『私、社長ではなくなりました。』(プレジデント社)で書いているように、ワイキューブは社員のモチベーション向上のため、社内にカフェやワインセラーをつくっていました。

そうした費用が会社経営を圧迫したのではないかという声もあったようですが、こうしたオフィスのおかげでメディア露出は増え、結果として投資額以上に会社のPR効果があったと記しています。

要は、なんのためにそれがあるのか、というのが本質です。度を越えないというのが大前提ですが、例えばオフィスデザインに社長の嗜好しこうが反映されるのは別に問題ないでしょう。

ただ、ひとつ気を付けたいのが、新築の本社や過剰なオフィスデザインが「社長の見栄」からきているかどうか。見栄からきていたら、度を越えていきますので注意が必要です。