外部講演にばかり出かけている社長はヤバい

社長が講演業を始めると、それはひとつの危険なシグナルとお伝えしましたが、組織にも影響が出ます。

本業でない講演業をしているわけですから、社長不在の時間が増えます。意思決定までにかかる時間も増えていきます。そして、現場を離れてしまうので、業種業界的な勘も鈍ります。

講演業でチヤホヤされている社長は、調子に乗りがちです。

会議場で聴衆の前で演説をするビジネスマン
写真=iStock.com/baona
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褒められているもんだから、自己承認欲求も増長しています。

「いやぁ講演は疲れるなぁ」「また講演で呼ばれちゃったよ」

社長は仕事しているつもりなのでしょうけど、社員は当然白け顔。

だって、社長の講演業なんて半分旅行でサボっているみたいなもんですから。お土産ごときでは社員はごまかされません。信頼は徐々に失墜していきます。

もっとも、講演業そのものを否定するわけではありません。経営者としてのブランド価値も高まりますし、PRにもなります。要は、社員にきちんと説明責任を果たさず、旅行のように見えてしまうと、危険ということです。

会議に「不要な参加者」が集まっていないか

会議はもともと必要なものです。

企画会議、営業会議、戦略会議……いまはオンラインツールも充実していますので、必ずしも一堂に会する必要があるわけではありませんが、この会議に「オブザーバー」や「顧問」とか「相談役」とか参加者が増えてくるとちょっと心配です。

なぜなら、会議で様々な意思決定がされることは重要ですが、それに必要のない社員が参加しているということは、その社員は利益に直結するような仕事をしていないことになるから。会議ばかり、会議だらけの会社は営業ができてないという見方もできます。

はたまた、すでに経営から降りた前会長が会社に来たから会議に参加してもらって、ありがたい助言をいただく。前会長が参加するからには、会社の主要人物は集めなきゃならない。さらに前会長が来たからには、会議のあと一席設けないと……というのも、本末転倒。

要は、なんのための会議なのか。会議のための会議になっていないか。軽目のシグナルですけど、そりゃ会議ばっかりやっていたら、何も進まないですよねってことです。