ランチェスター戦略学会副会長 福田秀人(ふくだ・ひでと)
1949年、石川県生まれ。慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。サステナブル・マネジメント・リサーチ代表。『リーダーになる人の「ランチェスター戦略」入門』『ランチェスター思考』『ランチェスター思考II』など、著書多数。

ランチェスター戦略とは、多数のライバルが存在する市場において企業が勝ち残るための戦略である。そこでは市場占有率(シェア)の獲得がきわめて重大な意味を持つ。不毛なシェア争いを避け、独創的な商品を開発・投入して、悠々と儲けるべき――ここ30年の経営論は、このような考えに席巻されてきた。W・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏による『ブルー・オーシャン戦略』(2005年)などはその典型といえる。

福田秀人氏

もちろん企業にとって研究開発やコストダウン、商品の改良・改善を進めることは、長期的に見て不可欠なことだ。画期的な新商品を開発し、全く新しい市場を開拓すべきだという点にも異論はない。